ダグラスの日記

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ジュニア採用の絶望と希望

 

こんな記事を読んだ。DHHが共有していた記事を翻訳したもののようだ。

 

portalshit.net

 

元の記事

isaaclyman.com

 

どんな記事か

記事では、ジュニアエンジニアの採用に対する誤解と、ジュニアエンジニアを採用することの重要性について説明している。

記事では、多くの企業がジュニアエンジニアの採用を避ける理由を述べ、その考え方がいかに間違っているか、を主張している。

 

ジュニアを雇える企業とはどういうものか?

新人教育に苦労した人は、「この記事は理想論だ。ジュニアを雇わないことも一定程度理解されるはずだ。教育する側の負担を考えていない」と考える方もおられると思う。

 

この記事では、どんな企業もジュニア採用できるとは言っていない

  • エラーに強い開発サイクルの構築
  • 自動化とフェイルセーフ技術の推進
  • ジュニアとシニアの組み合わせ
  • ジュニアエンジニアの特徴を活用すること

などが必要だと述べており、どんな企業でもジュニア採用できるとは言っていない。

 

ここまでの感想

個人的には、若手が参入しない分野は衰退するか現状維持か高齢者に有利な世界になるし、そもそも雇用を守るためにも、若手は入れるべきと考えていた。
しかし、この記事では、若手を採用することに明確なメリットがある、と述べている点が新鮮だった。

また、巷で言われるのは、若手の採用はコストだが、長期的に見ればペイできるというものがあるが、
この記事では、短期的にもメリットがある点が書かれているのも画期的な提案だと感じた。

 

現実にある絶望

しかし、世の中からは、下記のように新人教育に対して絶望の意見も聞こえる。

 

部下を持つ、と一言でいっても、伸びない人か、できる人かでこれだけ世界が違う。それならば、伸びない人だったときには、教える努力をやめることも重要なのだと思う。あまりにも絶望が深いではないか。その時間を自分のために使い、来たるべき「できる部下」に注いでやったほうがいい。

どうしても伸びない人にであったら悩むのではなく、そっと遠ざかるのが、私から伝えられる経験である。

どうしても伸びない人に悩みだす周辺の人たち - orangeitems’s diary

 

もちろん、部下を持つというのは簡単なことではない。

特に、伸び悩む部下と向き合うことは、多くのリーダーにとって絶望的な経験となることは十分理解できる。

そして、一部の人は、伸びない部下に対して教育の努力を放棄し、自分の時間を将来の有望な部下に注ぐべきだ!と考えるかもしれない。

 

しかし、この絶望的な視点に対して、私は異議を唱えたい。

 

伸びないと主観的に判断された人を見捨てる前に、まだ試していない施策や環境整備があるのではないだろうか?もしやれることがあるのにそれをやらないのであれば、それは極論として怠慢とも言えるかもしれない。

 

確かに、エラーに強い開発サイクルの構築、自動化とフェイルセーフ技術の推進、ジュニアとシニアの組み合わせ、ジュニアエンジニアの特徴を活用するなど、企業に取り入れるのは容易ではない。何年もかかるかもしれない。

しかし、シニアエンジニアがそれを導入できないなら、それは「能力が不足していた」とも解釈できるのではないだろうか。

 

もちろん、シニアエンジニアにそこまでの労力を払う責任はないかもしれない。しかし、「やれることは全部やった」と自己満足するのは、誤りや自己欺瞞である可能性がある。

私自身、この問題に対して強い関心を持っている。特に、「自己欺瞞という小さな箱からどう脱するか」についての問題は、私にとって重要だ。

そして何より、希望のある方向に賭けたいと思う。