こんなツイートがあった。
ふと聞いたX(Twitter)のスペースで、クリエイターの人が、有用な情報はむしろ無料でどんどん公開して、下らないプライベートコンテンツを有料化した方が気軽に長期的にお金を払ってくれて儲かる、と言ってたのは興味深かった。
— 益田ラヂヲ𝕏 (@mAster_rAdio) 2023年8月11日
私もそうだろうなとは思いました。その人が生み出す何らかの「価値」との取引ではなく、その人の存在そのものへの対価を支払うことで、「好き」を表現しているという気がします。条件付きの愛か無条件の愛か、といった対比に近いものを感じました。
— 益田ラヂヲ𝕏 (@mAster_rAdio) 2023年8月11日
クリエイターの話だが、エンジニアではどうだろうか、というのは置いといて。
VTuberなどの配信者の収入源には色々あるが、「メンバーシップ」「スーパーチャット」というものがある。
メンバーシップは、メンバーになることで限定コンテンツを見れるという「特典」はあるが、基本的に配信者が最も力を入れているのは「通常の配信」だ。
「特典」はまさにプライベートコンテンツで、こちらがメインコンテンツではない。
にも拘らずメンバーとなりお金を支払う人が後を絶たないのは何故か?
配信者に「愛」を示すという意味は大きそうだ。
メンバーになればコメントでのフォントの色も変わる。一目で配信者は誰がメンバーか把握できる。(コメントの流れが速すぎるために、コメント主の名前を配信者がひとつひとつ確認しているわけもないが、推し活とは、基本的には一方的な愛の表明なのだ)
スーパーチャットも、基本的にお布施だ。投げたから見返りはない。(配信者が名前が読み上げられる、という程度の見返りはあるが)
人は「好き」を表明したいのだ。
お金を払って価値を享受する
という順番ではなく
先にコンテンツを享受して、先に価値を貰って、それに対して自発的に対価を払う
という順序が正解なのだ。
いつかどこかで聞いたことがある。
「好きになってもらえれば勝ち」
好きになってもらえれば、コンテンツの質はさほど重要ではなくなる。
今回のコンテンツは良かったから金を出す、今回はクオリティが低いから払わない
という関係から抜け出す。
クオリティはどうでもいい、ただ自分が好きだからお金を払いたい。
これは勝ちだろう。
だから「好きになってもらう」ビジネスは強い。
エンジニアの仕事は、基本的に価値を提供して、対価を頂く、だ。
しかし、バイネームで仕事貰えれば勝ちかもしれない。
それは勿論、仕事内容が信用できる、が基本になるかも知れないが。
でも、「お気に入りだから一緒に仕事したい」という場合もあるよね。
これは、どんなに技術力が高くても、嫌いな人と仕事したくないことと裏表だ。
まぁエンジニアの場合、スキルで買われることの方が圧倒的に多い気はするが。
「好きになってもらう事」を重視する自己ブランディングができるならば、「スキル云々」よりも対価を得られる道もあるかもね。
(まぁ、大抵好きとスキルは不可分な気がしてならないが・・・)
(まぁ、経験上、好きな人間を周りに置く上司という者にも会ったことがあるわけでな・・・w)
(まぁ、この場合は上司・部下の関係上の話なので、配信者のような「マス」に好かれる話とは別文脈だな)
エンジニアがマスに好かれて、ビジネスが成り立つような世界はどんなものがあるだろうか?
純粋なエンジニアリングで好かれる、という道があるか。
あるいは、面白いブログを書いている人も、スキル云々はどうあれ好かれているな。