これの続き。
優越感に浸りたい説
こういう人間は論外。以上。
と言いたいところだが、案外簡単ではない。
人間はマウント、上から目線をすると気持ちが良くなる性質を本能的に持っているからだ。自然状態では、基本的に差別感情を持ちたいのが人間なのだ。それを制御できないから、世の中には高低こそあれ、差別が溢れている。
といっても、本能は、理性で制御可能と思われる。太古から少しずつ、理性を司る前頭前野を発達させてきたのだから。
しかし、その必要とする理性は、そう簡単に手に入るわけではない。自分の客観視、自己欺瞞に気づくメタ認知、自制心などなど・・・。これらを身に付けることは容易ではない。相当な学習能力と、自己批判精神を持ち合わせる必要があるだろう。はたして人間全員に望めるだろうか?
恐怖心説
相手に上から目線、相手からマウント、相手から攻撃されるのが怖いから、先に自分が優位に立ち、攻撃こそ最大の防御という事で攻撃的な発言を行うケース。
心理的安全を高めましょう。また、人間を信頼しよう。裏切られることもあるでしょう。その場合は「レジリエンス」を鍛えましょう。耐えるだけではなく、立ち直る力こそ求められている。
事実を正しているだけ説
これは、事実であれば相手を攻撃することもやむを得ない、むしろ間違いを正す自分は正しい、とさえ思っているケース。
良薬は口に苦しという言葉がある。
事実を指摘する際、相手の心理は完全に把握できているだろうか?「事実なんだから仕方ない」と思考停止していないだろうか?
事実だろうが何だろうが、相手が「この事実に傷ついた」と感じた場合、相手からはまごうことなき攻撃として認知される。
相手が傷つかないよう、言葉を慎重に選ぼう。
「そこまでやってられない」という人は多いだろう。それも仕方がないと思う。そこまでやるコミュニケーション能力、相手を察する能力、共感する能力は簡単に身に付くわけでは無いのだから。なお、これは皮肉であり、事実です。
また、「事実を正しているんだ」で思考停止していないだろうか?「相手が傷ついてるかも」と思いつつも、「しかし、伝えることが相手のためでもある」と考えて、思考停止していないだろうか?
思考を止めないでください。頭に汗をかいてください。
思考停止が良くないという話をしたが、「自己欺瞞」はより一層タチが悪い。
自分を自分で欺いているのだ。さらに、自分で自分を欺いていることに本人は気づいていないことが殆どだ。
自己を認識しよう。自分の内面を見よう。
まずは
「私は、相手を傷つけ、殴りつけ、そうして事実を伝えているのだ」
と、気づこう。これがまさに事実なのだ。
辛いだろう。自分が正義のヒーローではなくなるのだから。
正義のヒーローで世の中を良くしようと本心から思っているのに、やっていることは相手からすれば迷惑行為・誹謗中傷でしかない、という事を認めることは容易ではない。
目をそむけたくなる。耳を閉ざしたくなる。
しかし、全ては自己認識から出発するしかない。
自分の馬鹿さ加減を、曇りなき眼で見つめるしかない。
自分の小さな箱から脱出しよう。
なお、自己欺瞞から脱することは、思考停止から脱するより難しいことは、付言せねばならない。
成長したいなら、痛みを伴う覚悟を決めるしかないのだ・・・。
世の中を良くするため説
昔から「地獄への道は善意で舗装されている」と言われる。地獄は、自分が正しいと確信している場合に起きる。
毛沢東の四害駆除運動はご存じだろうか?
こんな話だ。
当時中国の農民は、穀物を食べるスズメに困っていた。指導者・毛沢東は国民に「スズメを駆除せよ」と宣言。実に1億羽のスズメが駆除されたという。
その結果どうなったか。
スズメがいなくなったことで、スズメが食べていた虫が大量発生。未曽有の大飢饉が4年にも渡って続いたという。
善意からの行いは、決して常に歓迎されるような類のものではないのだ。
続く・・・
[メモ]残りの説
- 信念説
- 憤り説
- 信仰としては良い説
- 言い方は良くなかった説
- マサカリ投げる方も痛い説
- 自尊心より事実説
- 事実信仰するかしていないか説
- 攻撃的なエンジニアは思想押し付けが強い説
- マウント取ってると思われる説
- 自尊心フォローのコミュニケーション求められている説